さて、新曲視唱で、どの教材を使うべきか?選ぶべきか?について説明します。
新曲視唱の教材は、沢山ありますが、その内容は千差万別です。
- 初心者向けで基礎的な内容に始終するもの、
- 音程ごとに練習出来るようにしてあるもの、
- ある程度進んだ学習者向けで、調性が網羅されているもの、
- 単なる旋律だけではなく、伴奏つきのもの、
しかし、ある程度学習が進んでいない段階の人が、教材ひとつひとつに目を通して、その内容が自分に合っているのか確認するのは困難です。
そういうわけですから、大まかなレベル別に推奨の教材を書いたリストを制作しましたので、説明と共に読んで頂ければと思います。
レベル0、音楽的な訓練を受けたことの無い人。ソルフェージュをまったく経験したことの無い人。
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まったく経験の無い人や、訓練を受けたことの無い人は、ほんの少し難しい教材でも、進めるのが困難になる可能性がありますので、最初は基礎を作ることに専念する必要があります。
この教材「子供のためのソルフェージュ(1a)」は、極めて初歩的な内容から始まり、段階を追って、音域や音形が複雑になっていくという構成で作られています。全体で268+10もの課題が収録されており、ボリュームの面でも十分。また値段も手ごろな価格です。
最初は2度音程の上下(ドレドレ~)程度から始まり、最終的には4度、5度程度の跳躍を頻繁に含む課題や、シンコペーションが多い課題など、それなりに手ごたえのある課題になります。
また、この教材は、全編ハ長調(C-dur)で書かれているので、頭の中で音をイメージする能力を身に付ける足がかりにすることが出来ます。最初は特定の調を中心に練習することが、頭の中で音をイメージする能力に繋がって来るのです。
この教材でどの程度の能力が身に付くのか?
この教材を、丁寧に学び終えることが出来れば、基礎の基礎は完成するレベルまで向上するでしょう。具体的に申し上げれば、
- ハ長調の簡単な新曲視唱は歌いこなせる。
- ハ長調の簡単な聴音も取ることが出来る。
- ハ長調の簡単な楽譜を見たときに、頭の中で音を鳴らすことが出来る。
といったレベルです。内容はハ長調に限られてしまいますし、初歩的な内容ですが、まったくの0からこのレベルまで向上することが出来れば、かなりの進歩です。
また、この本を修了することによって、次のレベルの本を学習するための下地が完成したといえるので、次のレベルへつなげていく架け橋となってくれます。
子供のための、と書いてあるからと侮らず、まずはこのレベルの本をきちんと学ぶことが、高度なソルフェージュ能力への確実な一歩であり、絶対音感を身に着ける方法です。音楽的な訓練を受けたことの無い人や、ソルフェージュをまったく経験したことの無い人は、この教本から始めれば間違いは無いです。