新曲視唱で使うべき教材について(初級編上)。

入門編の教材の次について。

レベル1、音楽的な訓練を少し受けたことのある人。ソルフェージュを少し経験のしたことのある人。


(前回の記事をご覧になっていない方は、先にこちらをご覧下さい。新曲視唱で使うべき教材について(入門編)。)


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子供のためのソルフェージュ(1b) [ 子供のための音楽教室 ]
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入門編の教材「子供のためのソルフェージュ(1a)」を終えられた方は、同シリーズの教材「子供のためのソルフェージュ(1b)」を引き続き用いられるのが良いでしょう。前作1aの続きとしてそのまま用いることが出来ます。

1bの第1課は、1aの第7課とほぼ同じか、少し難しい程度の難易度からスタートします。第1課から既に、3~5度程度の跳躍は頻出するので、ちょうど良いトレーニングになる難易度です。

1bに入ると、いよいよ様々な調性の問題が出て来るようになります。第2課までの問題はすべてCdur(ハ長調)ですが、第3課以降F,Gdurが、第4課からはamoll、そして第9課からDdurが出て来ます。

どの問題を練習するときもそうですが、必ずスケールを弾き、声に出してスケールを歌うことを忘れないで下さい。調性が異なる問題が増えれば増えるほど、この作業は重要です。異なる調性をしっかり感じ頭に叩き込んでください。

また、1aと比べて、各課冒頭のリズム練習が両手での問題になり、複雑になっています。このリズム練習は丁寧にこなすことで、基礎的なリズムのマスターにつながりますし、後に開始するリズム練習のウォーミングアップにもなりますので、必ず忘れずに練習するようにしてください。

全体の問題数は326と前作1aよりも多く、難易度的にも難しくなっていきますが、諦めずに、ゆっくり自分のペースで良いので、確実にすべて消化するようにしましょう。余裕があれば取り組む問題の量を増やしてください。復習の期間を1週間より短いサイクルにすることは絶対にしないでください、たとえ自分が余裕を感じる場合でも、必ずサイクルを守ってください。

繰り返しますが、余裕がある場合は問題の量を増やしてください。

この教材でどの程度の能力が身に付くのか?

この教材を、丁寧に学び終えることが出来れば、ソルフェージュの基礎が少し身に付いているレベルまで向上します。具体的に申し上げれば、

  • Cdur(ハ長調)や、それ以外の調号が少ない調の、新曲視唱はミスしつつもある程度は出来る。
  • Cdurや、それ以外の調号が少ない調の、聴音もミスしつつもある程度は出来る。
  • 基礎的なソルフェージュ力が身につき始めてくる、楽譜を見てどの程度の難易度なのか、予測が付くようになってくる。
  • 聴音の練習を開始するべきレベル。
といったレベルです。Cdur以外の感覚も身に付いてきますし、基礎的なソルフェージュ力が身に付いてくるので、様々な調でもCdurと同じように受け入れる体質が出来上がってきます。聴音の練習を開始するのにもちょうど良い時期になります。

また、音楽の流れに乗れる体質が出来てくるので、楽譜を見たときに、どの程度の難易度なのか(今の自分には優しいor難しい)分かるようになってきます。

この本を修了すると、初級の卒業が見えてきます。まだ所々ミスは抜けないと思いますし、中級以降の難しめの問題を歌ったり、書き取ったりすることは出来ませんが、初級の内容であれば、ある程度は初見でもこなす事が出来るようになります。

また、初級のレベルは非常に大切なので、もう少し難しめの1冊程度こなしてブラッシュアップする必要があります。中級への架け橋ということです。もう1冊こなすことが出来た段階で、細かなミスも無くなるでしょう。初級卒業というレベルです。

この段階でのトレーニングはなかなか大変ですが、ソルフェージュの基礎力は必ず必要で、強固な相対音感や絶対音感を身に付けるためにも避けて通ることは出来ません。少しづつでも必ず終わらせられるように頑張りましょう。