新曲​視唱とは。

新曲視唱は、音感を鍛えるトレーニングの中で最も重要な練習です。

そもそも新曲視唱とは。


新曲視唱とは「視唱課題」や「新曲視唱」などといわれる練習用の教材を用い、楽譜に書いてある音を正確に歌えるようになるまで、何度もピアノやギターなどで弾きながら楽譜に書いてある音程やメロディーを歌い、音程の感覚や正しい基準の音を覚えていく練習のことです。

当分はこの練習を続けることになり、単調な練習にも思えますが、十分に練習することで総合的な能力を身に着けることが出来ますので、丁寧に行なってください。

注意:下記の練習はすべて固定ド唱法(どの調でもC=ドで歌う唱法、ドの♯=C♯は、頭の中で鍵盤をイメージしつつドと歌う)で行なってください。理由は後ほど別の記事で説明します。

では、具体的な練習方法です。


用意した、新曲視唱用の教材を中から、まずは練習に取り組む2、3題を決めてください。
そして次に、選んだ問題の1題を選び、1分黙読します、この際たとえ初めて見る曲であっても、頭の中でメロディーを歌えるように努力してください、また学習の初歩の段階では、分からない部分を歌ってもかまいません、楽譜の音符と自分の中の音のイメージを、一致させることが出来るように努力してください。

それから後、しっかりと声に出して歌ってみます、歌う前には、

・その調のスケールを1オクターブ弾き、スケールを固定ドで歌うこと。

そして必ず1小節分のリズムを右手、もしくは左手で、空振りしてから歌いはじめてください。
(指揮ではなく上下に振るだけで結構です)

また、この空振りは歌ってる途中で止めたりせず、なるべく最後まで続けてください。(空振りをするのが​非常に難しいようであれば、空振りなしで歌えるようになった後に、同時に出来るように練習してください。)

歌い終わった後に、音程のとりづらかった部分や、リズムの複雑な部分を抜き出し、必ず!ピアノなどの楽器を用いて練習します。

もう十分に練習がすんだかな?と思ったら、もう一度最初から歌いなおしてみます、この際スケールを歌うことや、リズムの空振りはもう一度必ず行なってください。これを1セットの練習として、残りの1、2題も同じように練習します。​

そして、ここからが重要な復習についてです。

今行った練習を、1週間の間、同じ問題を使い繰り返してください。


もう練習は十分に済んだと、次の問題に進んでしまったり、復習は翌日で終わらせてしまうような練習をする人が多いですが。復習は同じ問題を1週間をかけて叩き込むことに意味があります。こうした練習により自分の脳内に徹底的に入れることが、結果的に最も短い時間で効果を挙げる事が出来るのです。​

勘所の良い人の中には、3~4日練習した時点で、問題を見ただけで頭のなかで鳴らすことが出来るようになり、練習せずとも歌えるようになる人も居ますが、必ず一週間のスパンは守ってください。十分に音を吸収するためには、時間も練習もどちらも必要です。

また、これらの練習を続けていく途中で、余裕が出てきた場合は、こなす問題量を増やしてください。2、3題程度から、4、5題ほどまで増やせば、優しい問題集でもかなりのボリュームになります。

以上が、新曲視唱の練習の手順になります。まずは、これらの練習法に基づいて1冊終わらせてください。1冊をキチンと終わらせることが出来れば、あなたの音感やソルフェージュ能力はかなり向上していることに気づくはずです。

次の記事では、

  • どの新曲視唱の教材を使えばいいのか?
  • どの順番でこなしていけばいいのか?
  • それらの教材が終わった段階で、目安としてはどの程度の音感が身に付いているか?
などをふまえた上で、オススメの教材を紹介します。